ほうらまた取られた2点!
この状態になって頑張っても辛いだけやろ
こうなる前に力いれんなん!
辛そうで、死にそうで、何故続けられるのだろうと思った。
そんな練習の中で、先輩が後輩にかけた言葉の優しさが
その疑問の答えの一つなのではないかと勝手に思っている。
練習中は、空気が張り詰めていて
しばらく、話してはいけない。邪魔してはいけない。
という思いになった。
それほど、見ていて一つ一つの動きに見惚れた。
20分、いや30分
ありえないくらいに体を動かしたあと
ようやくもらえた休憩がたった1分だけだった。
何回もダメ出しをくらいながらも、また何度も立ち上がるのが
格好良かった。
やはり優しく挑発する先輩がものすごく大きな壁に見えた。
先輩たちは
「レスリングは楽しいよ!今年の目標は安全第一!」
「なにがよ!」
って楽しそうに笑っていた。
他の部員に比べて華奢な体つきをしていた先輩が
バク転などマットの大技を準備運動で完璧にやっていて
そういえば部活動紹介ではそれを売りにしていたなって思い出した。
来週末には、北信越大会に出場するそうだ。
「優勝してきます」
たった一言だったが、部長の言葉は力強かった。