令和2年度の終業式に、皆さんに「今さら」の「さら」を「から」や「なら」に換えて、「今から」「今なら」できることをすぐ始めてみようと呼びかけました。何か始めて見たことはありますか?
さて、この3月は、東日本大震災から10年目の節目でした。この時津波被害に遭ったある高校の復興スローガンがあります。
5つのスローガンの頭文字は「かきくけこ」です。
「か」は感謝:支援をしてくださった方々への感謝を忘れない。
「き」は希望:苦しいときも希望を捨てず、未来を見つめる。
「く」は工夫:与えられるだけでなく、自ら工夫していく。
「け」は決断:責任をもって自分で決断し、
「こ」は行動するということです。
ぜひ、行動を起こしましょう。自分のため、誰かのためにチャレンジをしてください。毎日漢字の練習をするとか、ボランティアを始めてみるとか、ちょっとしたことからでも構いません。
初めてのことに挑戦すると、緊張もするし、失敗することもあります。でも、必要以上に失敗を恐れてはいけません。みんなたくさんの「初めて」を経験して、人間としての幅を広げていくのです。失敗は乗り越えたら大きな力になります。大切なのは、そこから何を学び、次にどう生かすかです。生かせば、それは意味のある失敗になるのです。
同じ場所にとどまっていると、同じ景色しか見えません。前に進めなかったら、横に1歩動くだけでもいい、場合によっては思い切って1歩下がってみてもいいのです。違う位置からもう一度眺めてみると、それまで見えていなかったものが見えてきます。行き詰ったら、まずは、とりあえず動いてみることです。
新しい学年のスタートにあたり、自分自身をどうプロデュースするか、「感謝・希望・工夫・決断・行動」の「かきくけこ」を並べて、改めて考えてみてください。
最後にもう一つ。昨年から、池江璃花子さんの復活に注目してきました。ついに東京オリンピック代表の座をつかんだ池江さんですが、一昨日の朝刊に彼女を大きく写しだした全面広告が載っていました。その隅に書かれていた言葉を紹介します。
運命はだれが決めるのか。
何かひとつのちょっとだけ違った
行動だったり考えで、運命とか未来って、
簡単に変わると思っているので、
だから、今この瞬間を
どう生きるか、どう大切にしていくかっていうのも、
自分の人生において、
誰の人生においても、
大切なことだなっていうふうに思っています。
池江璃花子
令和3年度、今、この瞬間を大切にして、自らがなすべきことを考えチャレンジしていきましょう。