おはようございます。今ほど、たくさんの賞状伝達を行ったところですが、皆さんすばらしい活躍でした。この後の大会も精一杯の力を尽くされることを願っています。
さて、今、スポーツで話題になっているのは、もちろん、いよいよ3日後に迫ったオリンピックですね。でも、残念ながら、この東京オリンピックに関しては、スポーツというより、政治的、社会的な観点での話題という側面が大きいような気がします。
純粋に本来のスポーツの話題としては、やはり大谷翔平選手の活躍ではないでしょうか。
今日は、彼に関係した三つのことを中心にお話しします。
一つ目。大谷選手については特に、大リーグのホームランダービーやオールスター戦での活躍が大きく報道されています。
そして、その華々しい活躍とともに、彼のプレイ面以外での行動が、時にはプレイ以上に賞賛されています。1塁に進む途中でゴミを拾ってポケットに入れた、折れたバットを拾ってバッターに渡した、ファンのサインの求めに、疲れているのに手に持っていた荷物を下に置いて、しっかり向き合って丁寧に応じたなど、ほとんどはほんの些細なことのようです。
では、なぜこれほどまでに評価されているのでしょうか。それは、いずれも自分の利益のための行動ではなく、そして、それが一度や二度のことでなく、積み重なっているからです。積み重ねられるということは、それらの行動が習慣化しているということです。だからこそ、相手チームのファンにさえも素直に受け入れられているのだと思うのです。彼がこれほどまで高い評価を得て愛される所以は、そのマナー、気遣い、人柄にあります。
大谷選手について、二つ目。7月7日の読売新聞に「掟破り 伸び伸び二刀流」というタイトルで、中村 計 さんというノンフィクションライターの方の記事が載っていました。中村さんは大谷選手の魅力について、このように言っています。
「大谷選手が最も魅力的なのは、いわゆる努力のにおいが全然しないところだ。野球をする上で、『好き』という気持ちを一番、大事にしているように感じる。」
更に中村さんは、こう語っています。「彼は好きなものを見つけ、それを守り通せたら、努力しようなんて考えなくても、自然と頑張れるし、世界の超一流になれることを教えてくれた。『好きは最強』。どんな物事にも共通していると思うのですが、彼がそれを証明してくれている気がします。」
確かに、野球をしているときの大谷選手は笑顔が印象的で、とても楽しそうです。でも、だからといって努力していないはずは絶対にない。好きなことのためなら努力は苦しいものではなくなるのですね。
そうであるならば、この「好き」を増やすことは、自分自身を成長させるためには、かなり得策であると言えます。ただ、何もしないでこの「好き」を得ることはできません。まず、「好き」に出会うために行動を起こしましょう。コロナ禍においては、まずは本を読み、新聞を読み、視野を広げましょう。そして、可能な範囲でチャレンジしましょう。夏休みは、今まで気づかなかった「好き」に出会えるチャンスです。
三つ目。彼が高校1年生の時に書いた目標設定シート。知っている人も多いかもしれません。自分の強く思う目標を中央に置き、周囲9×9の合計81マスにそれを達成するための細分化した目標を書き込んでいったものです。高校1年生の彼は中央に「ドラフト1位8球団」と記入しました。そして、それを達成するために必要な要素として次の8つを記入しました。①体づくり ②人間性 ③メンタル ④コントロール ⑤キレ ⑥スピード160キロ ⑦変化球 ⑧運 この8つの要素を手に入れるために、更に目標を細分化していきます。2番目に「人間性」があげられていましたね。このことは先ほどお話しした一つ目の彼の行動に現れています。8番目の「運」については、彼が「運」を引き寄せるためにどんな具体的な目標を立てたのか。気になる人はぜひ調べてみてください。
この方法は原田メソッドの「オープンウィンドウ64」というものを基にしたものです。マンダラチャートとも呼ばれています。「目標設定シート」「オープンウィンドウ64」「マンダラチャート」いずれでも検索できますので、達成したい目標がある人はぜひ一度書いてみることをお勧めします。
さて、この夏休み。もうすぐ東京オリンピックも始まります。様々な課題を投げかけてくれた、これまでにないオリンピックです。本校卒業生の横嶋さん、佐々木さんも参加します。まずは純粋に選手たちを応援したいと思います。そして、できれば、いろんな角度から、いろんな視点で物事を見て考える機会にもしてもらえたらと思います。
今年でしかできないことがきっとあるはずです。
1学期の始めに話した「かきくけこ」
感謝の気持ちを忘れず、
希望を持って
工夫を重ねて目標に向かっていきましょう。
必要なときに最適な決断ができるようにするために、
今すべきことを考えて行動を起こしましょう。
この夏休み、心身ともに健康に過ごしてくれることを願っています。
校長 今井 亜矢子