令和3年度3学期始業式 学校長式辞

 明けましておめでとうございます。元気でしたか?

 終業式は全校生徒が集まって行うことができましたが、年末からの感染拡大傾向により、今回またこのような形で行うことにしました。皆さんの顔を直接見られないのは残念ですが、なんとかしっかりと始業式の言葉を届けたいと思います。
年明けの新聞のコラムからこんな詩を見つけました。「ケチャップマヨネーズ?」という夫婦ユニットのサヤカさんという方が作った詩です。読み上げます。

パンダの詩(うた) はるか昔 まだぼくが
パンダと呼ばれてなかった頃
天地創造の神様が 白いクマと黒いクマ
どちらに生まれたいか 聞いてきた
白黒ハッキリつけられず
長い間 迷ったら
忙しい神様は こんな風に塗ってった!
悲しくて恥ずかしくて
ずっと自分が嫌いだった
だけど ほら
面白くって好きだって
君が言ってくれたから
ぼくは ぼくで良かったんだ

  どうですか?ほんわかして、なおかつ「ぼくはぼくでいい」と元気をもらえる詩だと思います。そして、この中に登場する「君」、こんな声かけができるって素敵ですよね。
この詩を読んで、もう一つ思い出した言葉があります。
「『心』は誰にも見えないけれど、「こころづかい」は見える。『思い』は見えないけれど、『思いやり』は誰にでも見える。その気持ちをカタチに」
東日本大震災の直後、辛く痛ましい現実を伝えるニュースの合間に、何度も何度も流れ た AC ジャパンの CM です。皆さんはまだ幼かったから覚えていないかもしれませんが、未 曾有の災害を目の当たりにし、被災した方々への思いやりの大切さを静かに訴えていまし た。

これは、詩人で作詞家である宮澤章二さんの「行為の意味」という詩から抜粋された言葉でした。この詩の全文を紹介します。

行為の意味
           宮澤章二
―あなたの心はどんな形ですか
と ひとに聞かれても答えようがない
自分にも 他人にも<こころ>は見えない
けれど ほんとうに見えないのであろうか
確かに<こころ>はだれにも見えない
けれど<こころづかい>は見えるのだ
それは 人に対する積極的な行為だから
同じように 胸の中の<思い>は見えない
けれど<思いやり>はだれにでも見える
それも人に対する積極的な行為なのだから
あたたかい心が あたたかい行為になり
やさしい思いが やさしい行為になるとき
<心>も<思い>も 初めて美しく生きる
―それは 人が人として生きることだ

  コロナ禍の今、改めて心に留めて置きたい詩だと思います。思いやりの心をもち、そしてそれを形に表していく。どんな形でもいい。方法は様々です。12月にみんなで作った

 シトラスリボンもその一つです。まずは自分自身を大切にする。その上で、誰かのためにできることを考えて行動に移していきたいものです。
3学期、寒い時期ですが、心は温かく保ちつつ、向陵高校みんなで力を合わせてがんばっていきましょう。

               校長 今井 亜矢子